教育

子供を性犯罪被害から守るには?親子で対策を学ぶ方法

こんにちは、わこ(@happyworkmom)です。

いよいよ新学期!入学の時期ですね。

幼児のときは、どこに行くにも子どもには大人が付き添いますが、小学生になると、登下校や習い事など、子供が一人で行動することが増えます。

そんなとき、親としては「交通事故にあうこと」ばかりを心配してしまいますが、もう一つ、同じくらい気にかけてあげなくてはならないことがあります。

それは、「性犯罪にあうこと」です。

性犯罪なんて、年頃の女の子が心配するものでは?

と、思った方もいるのではないでしょうか。でも、子どもこそ、性犯罪のターゲットになりやすいのです。そして子どもの場合、男女ともに被害者になり得ます。

この記事は、こんな方に読んでいただきたい記事です。

  • 子どもが性犯罪にあうってどういうこと?
  • 子どもが性犯罪にあわないために何をすればいいかわからない
  • 性犯罪について子どもに説明したいけど、どうやって説明したらいいかわからない
  • 幼児〜小学生の子どもをお持ちのすべてのママ

実は多い、小学生の被害者

こちらは、警視庁が平成24年から28年の5年間で都内で発生した性犯罪データを分析したものです。被害者の学識別件数(小学生or中学生or…)を示しています。


性犯罪に関していえば、中学生よりも小学生の方が被害件数が多いということがわかります。暴行と性犯罪もほぼ同数。

小学生にとっては、実は性犯罪被害が身近にひそんでいるということがわかりますよね。

わこ
わこ
この分布にはびっくりしました!

なぜ、子どもの被害者が多いのか?

同じように、子どもが被害にあう確率の高い「(交通)事故」を考えてみましょう。

被害者がいて、当然ながら加害者もいる。命に関わる大変なことではあります。

でも、考えてみてください。加害者も、その事故を「起こそう」とは思っていません。結果的に加害者になってしまった側も、言うなればみんなが、その事故を回避したいと思っています。

それに対して、「犯罪」とは、加害者が、明確に意図を持って相手に危害を加えようとした結果、起こるものです。これが、「事故」と「犯罪」の大きな違いです。

「性事故」は存在しません。あるのは「性犯罪」のみ。

加害者は、明確にターゲットを狙い、犯行に及んでいます。それは、逮捕された犯罪者への聞き取り調査からわかります。警視庁が平成24年から28年の5年間で都内で発生した性犯罪データを分析したところ、対象となる事案の加害者のおよそ25%が「初めから犯行に及ぶつもりだった」と回答しているのです。

警視庁「子ども・女性の安全対策に関する有識者研究会提言書」より

加害者が意図的に行う場合、どんなターゲットが、成功確率が高いでしょうか?

答えは明確ですよね。子どもです。

だから、子どもが被害者になりやすいのです。

子どもがターゲットになる理由

でも、成人である加害者にとって子どもは、「性」という目的にマッチしないのでは?と思いますよね。

そう考えるのは、性犯罪の理由は、加害者の「性欲」によるものだという先入観を持っているからです。

同じように、ターゲットになりやすいのは、胸元や脚が露出する服装など、性的刺激の強い格好をしている人だという先入観もあります。

しかし、実はこれが根本的な誤解であり、被害者側の危機意識のエラーを誘発し、悲しい事件を引き起こしている根源といえます。

戦争や紛争地域では必ず、性暴力が起こるということはご存知でしょうか。性暴力は、征服欲や支配欲と密接に関連した暴力行為です。つまり、「弱いものいじめ」なのです。

2018年、ノーベル平和賞を受賞した、ヤジディ教徒の女性ナディア・ムラドさん。彼女がイスラム国兵士から受けた性暴力も、根底にあるのは征服欲でしょう。

「ISISは、未婚のヤジディの女性にとってイスラム教に改宗して処女を失うのがどれほど絶望的なことかを知っていた。そのうえで、彼らは私たちにとっての最大の恐れを利用した。それは、私たちのコミュニティと宗教指導者たちが私たちをもう受け入れてくれないということだ」とムラドが書くように、ISISの心理操作は計画的なものだった。

ノーベル平和賞のヤジディ教徒の女性が、ISISの「性奴隷」にされた地獄の日々

また、レイプに比べれば軽視されがちな痴漢。これも立派な性犯罪です。痴漢が征服欲や支配欲と関連しているということが分かりやすく解説されている記事がこちら。

「男が痴漢になる理由」なぜ女性も知っておくべきなのか。満員電車でくり返される性暴力

わたしはこの一連の記事を読んで、性犯罪の認識が180度変わりました。この記事でインタビューされている第一人者の斉藤章佳氏の解説は、とてもわかりやすく論理的で腑に落ちる内容となっています。男の子(加害者となり得る)を育てる親としても、色々と考えさせられました。

茶髪でスカートの短いコギャル(死語?)のような女子高生よりも、スカートの丈も長くて大人しそうな女子の方が痴漢に遭いやすいんですよね。それは、わたし自身、学生時代に周りの子に聞いた痴漢被害の実感としてもありました。

加害者は、弱いものをいじめたい、屈服させたいという気持ちで「性」という武器を使っているだけです。ただ自分の欲望を満たす行為の「やりやすさ」だけを考えれば、そのターゲットが一般的に、男性よりも女性、大人よりも子どもに向かいがち、ということは容易に想像がつきます。弱くて、仕返しをすることのない存在だからです。加害者は、被害者が性的に成熟しているかなんてことを考えてはくれません。

そして、子どもの場合、力の「弱さ加減」に男女差はほとんどありません。つまり、年少者であれば、男の子もターゲットになり得るということです。

世界的な統計で見ると、13歳までの男子の6人にひとりが、何らかの性的暴行を受けているとのことです。(女子の場合4人にひとり)

性知識のない日本の子どもたち

日本の家庭では、一般的に、性について非常に保守的です。家族でテレビを見ているときにラブシーンになると気まずい、というのはよく聞く話ですが、性的なことを、いやらしいもののように扱う習慣があります。

そのため、日本の子どもは、極端に性知識に乏しい状態です。つまり、悪い大人にいたずらをされても、何をされたのかが理解できず、親に説明することすらできない、ということです。

大人でも、とっさのことに対応することは難しいですよね。特に大人ほど対応力のない子どもは、「知らないことには対応できない」と考えた方が良いでしょう。

何かいけないことをされた、ということはなんとなくわかるため、それが原因で将来にわたりPTSDを引き起こしたりします。男の子の場合、幼児期に性被害に遭ったことが原因で、成人した後に自分が性犯罪者になってしまうことも多いそうです。

とはいえ、保護者が子どもを四六時中見守るわけにいきません。子ども自身が自分で身を守れるような対応力、そして、そもそも何をされようとしているのかに「気づける」認知力をつける必要があるのです。

子どもが決定的に弱者である理由

小学生くらいの子どもの、大人の犯罪者に対するハンデは、身体的なものだけではありません。

小学生くらいにもなれば、低学年であっても、体重は20キロ近くはありますし、走るのだって早く、声も大きい。つまり、全力で抵抗されれば、よほど屈強な大人でない限り、子どもを思い通りにすることなんてできないはずなのです。

では、どうして小学生くらいの子どもが、悪意を持った大人に簡単に思い通りにされてしまうのでしょうか。

子どもの一番の大きなハンデは、「(見知らぬ人であっても)大人が自分に危害を加えるはずがない」という思い込みです。

それまで、親や祖父母、保育園や幼稚園の先生など、周りにいる大人たちはほぼ全員が自分を庇護してくれる人たち、という環境で育ってきた子どもがほとんどでしょう。つまり、「大人が自分に危害を加えるかもしれない」なんていうことは、多少、言葉としては知っていても、実感として認知している子どもはほぼいません。

大人が「悪い人」だとは、感覚的にわかっていないのです。

親としても、「知らない人について行っちゃいけないよ」とは教えることはあっても、じゃあ知らない人が具体的にどんなことをしてくるのか?ということをきちんと教えられる人はなかなかいないですよね。

「どこかに連れて行かれちゃうよ」
「もうパパやママに会えなくなっちゃうよ」

と、子どもに教えることは、逆に

「どこかには連れて行かれず、その場で
「コトが済んだら、パパやママの元に帰してもらえた

という場合には、「悪いことをされたのではない」のだという、誤った認識を無意識に刷り込んでいるのかもしれません。

絵本で学べる!子どもが自分で自分の身をまもる方法

とはいえ、親として、何をどうやって教えたらいいのかわからない、という方が多いのではないでしょうか。わたしもそうでした。

たまたま見つけた絵本が、ものすごく良かったのでご紹介します。

かなり前に発売された絵本ですし、外国の絵本を和訳したものですが、内容的には今読んでも全く違和感がありません。

公園、マンションの共用部分、デパート、ホテルの通路など、具体的な場所での出来事が書かれています。

ターゲットとなる主人公の子どもは、男の子と女の子、両方のケースがあります。

そして、そこに出てくる「わるい大人」が、悲しいことですが、今の日本でも「あるある」な感じなんですよね…。

そして、この本の素晴らしいところは、こうした具体的なシーンのなかで、子どもがやるべきことが、子どもの目線でわかりやすく描かれています。それをやることによって、最後は必ず「成功」で終わるのです。

さらに、きちんと「親にその事実をつたえる」ところまでが描かれています。

一部、すでに被害にあってしまったというケースからスタートするお話もあるのですが、そんな時にも「子どもと親がどうすべきか」が描かれているので、その後のケア方法がわかります。

子ども自身が被害にあったことを親に言えず、適切なケアを受けずに成長してしまうと、PTSDなどのさらなる二次被害を引き起こしてしまいます。親がきちんとその事実を知ることがとても重要だということも、この絵本の中では繰り返し描かれているのです。

犯罪に巻き込まれやすい具体的シーンの描写
⬇️
わるい大人登場(見るからにわるい人ではない)
⬇️
子どもが機転を利かせて対処
⬇️
親に何があったかをつたえる

つまり、この話を読んだ子どもは、こういうシーンでこんな大人がいたら、自分が何をすべきか、そして、親にちゃんとそのことを伝えなくてはいけない、ということが学べるのです。

我が家の子どもたちの反応

息子8歳(この春から小3)と、娘5歳(この春から年長)に読ませて聞かせました。

二人とも、性的なものをまだ意識する前の年代だからか、恥ずかしがることなく、熱心に読んでいました。

息子は、かなり正確に、内容を理解したように見えましたね。

娘は、最初は普通の絵本だと思って読み進んでいたのが、ページが進むにつれてだんだんと音読する声が小さくなってゆきました。

読み終わった後、「どこがこわかった?」と聞いたところ、

「おまたをさわられたところ」
「XXちゃんが、ふくをぬいでへんなあそびをさせられたところ…」

と言っていました。

絵本の中の子がされたことの意味はわかっていないようですが、やはり、直感的に「きもちのわるい」「こわいこと」だと感じるようです。

「こわいこと」を、「おまたをさわられる」「ふくをぬいでへんなあそびをする」という風に言語化できるようになったことは、認知としての大きな前進だと思いました。

この本の中の保護者がそうしているように、そんな大人に遭遇したら

「とにかくさけんでにげるんだ」

ということと、

「絶対にパパやママにそのことをはなすこと」

を子どもたちには伝えました。

まとめ

この記事に書いたことは、小さな子どもを持つすべての方に知っていただきたいことです。

子どものために知っておきたい「性犯罪」とは
  • 性犯罪の原因は「性欲」ではなく「支配欲」「征服欲」
  • 子どもの場合、女の子だけでなく男の子も性犯罪にあう可能性がある
  • 子どもと親ともに、性犯罪の正しい知識がないことが原因
  • 具体的なシーンとして、子どもに対処方法を学ばせることが大切
  • 「親に伝える」ことまでが、性犯罪への正しい対処方法
  • 子どもが何歳であっても、学ぶのに早すぎることはない!

世の中から、子どもが被害者になる悲しい事件がなくなりますように。

この本、すべての幼稚園や保育園、小学校に配備して欲しいです。